ドローン等を用いた樹木診断の試験施工
植栽されている樹木を日々確認し、その状態に異常がないか、危険がないかを確認するのは私達 造園業に携わるものの重要な仕事の一つです。
しかしながら対象が広大な公園である場合、対象が膨大すぎて確認を行うのは容易ではありません。すべての樹木を確認する毎木調査は大層時間がかかり、またどこから行うか、優先度の判断も困難です。
この度、株式会社ウリプカス様のご協力を得て、ドローンと専用の診断機を用いた樹木診断(特許出願中)の試験施工を行いました。
第1段階として、ドローンを飛ばして、植物が太陽光を反射する波長を撮影・計測することで、樹木の大まかな健康状態の診断を行います。状態がよい植物は赤く、悪いものは青く画像に表示されます。空撮を使うことで、時間をかけずに大面積の診断ができ、また地上からは見えない樹冠部の様子を知ることができます。
第2段階として、空撮で得られた画像から状態の悪いと思われる樹木の場所に行き、樹木の状態を目視で確認します。幹や葉の様子、キノコがついていないか、空洞がないかなどを確認します。外観の異常や木を叩いてその音で中に空洞ができていないか判定する打音診断を行い、内部で腐朽が進んでいる恐れがある場合、いよいよ精密診断を行います。
精密診断では専用の診断機を使用します。幹の同じ高さのところに等間隔でセンサーを取り付け、そのセンサーを叩いてその波動を他のセンサーで計測することで内部の腐朽を測ります。1本の木に対して数か所実施することで、立体的に木の状態を画像化することができ、より的確な樹木診断を行うことができます。
今後も新しい技術を取り入れ、よりよい緑地管理、公園管理が行えるよう努めていきます。